2006年8月29日付け日中新聞に掲載

中国旅行懇話会 2004年度年次総会 報告書

2004年度 事務局長

 

佐野 秀史

 
日時: 2005年7月1日 16時開会 17時閉会
場所: 北京 京広ニューワールドホテル 2階 会議室
参加者: 21社(正会員)、委任状提出11社 計32社
現在正会員数39社、総会定足数26社となり本総会は成立の上議事進行した。
議長を東武トラベル 及川代表幹事に選出、議事進行を行なった。
  議事進行については全議案 全会一致にて承認された。
取材に関しては共同通信社、時事通信社の2社より依頼があり広報担当岡本オブザーバーにて対応。
 
   
成田空港にて結団式 日本側代表団、現地到着
 
   
25周年年次総会記念写真
 
日時: 2005年7月1日 18時30分開宴 20時30分閉宴
場所: 北京 京広ニューワールドホテル 2階 宴会場
参加者: 日本側会員38名、中国側旅行社等30名、日本より参加3名(関空会社) 計71名
 
懇親会進行
1. 日本側団長挨拶 小野 由紀夫 代表幹事
2. 中国側挨拶 張 国成 中国国際旅行社総社 日本部 部長
3. 乾杯 白西 紳一郎 当会顧問 社団法人 日中協会 理事長
4. ゲスト紹介 村山 敦 関西国際空港(株) 代表取締役社長
5. 中締め 白石 茂 次期代表幹事
 
   
日中旅行業界懇親会(北京)、記念写真 懇親会(北京)
 
   
懇親会(北京)にて歓談中 懇親会(北京)
 
懇親会中に取材としてNHK 中国総局が個々にてインタビュー等受けた。
 
 
   
NHK取材  
 
日時: 2005年7月2日 9時30分開会 11時30分閉会
場所: 北京 京広ニューワールドホテル 2階 宴会場
参加者: 日本側会員36名、中国側旅行社29名 計65名
 
意見交換会進行
1. 日本側挨拶 白石 茂 次期代表幹事
2. 日本側基調報告 伊勢 隆志事務局次長
   
  中国旅行懇話会 日中旅行業懇談会(05年7月) 基調報告
   
   私は中国旅行懇話会05年度事務局次長を務めます、中国国際旅行社(日本)の伊勢です。本日は、日中旅行業関係者の懇談会の席上、日本側を代表し基調報告を行う機会を得ましたことに感謝申し上げます。

 1972年の日中国交回復、とりわけ79年の対外開放政策、観光分野ではパッケージツアー解禁以降、観光・商用等で中国を訪問します日本人は増加の一途を辿り、また中国から日本を訪問されるお客様も、団体観光ビザの解禁後、年を追って増加し、この間、天安門事件、SARS等で一時的な落ち込みはありましたが、2004年度は訪中333万人、訪日62万人と、その往来、交流は盛んなものになっております。
 私達はあくまでも民間の企業活動として日中の人的往来のお手伝いをしているわけですが、この間、観光・視察・友好交流などの分野において、旅行社、航空会社、ホテル、観光施設など日中の旅行業界が協調して努力し、民間交流の促進に少なからぬ貢献をしてまいりましたことも、広く認めていただいているところでございます。
 去る4月の「反日デモ」に端を発し、より顕在化した、最近の主に政治分野での日中間の情勢は、双方向の旅行、とりわけ日本から中国への旅行に大きな影を落とし、2ヶ月を経てなおその影響は大きく、かつ深刻なものになっております。私たちは外交・政治問題についてコメントする立場になく、この場でこの問題について意見を述べ合うことは考えておりませんが、本日は、実際に中国旅行が受けている影響について、日本人の心理状態について、今後の見通しについて報告し、あわせて、中国旅行リカバリーのために、日中の旅行業界としてできることを提案したいと存じます。

1.反日デモとその後の情勢による影響
 4/25、中国旅行懇話会では会員各社に緊急アンケートを実施しました。
 もともと2005年の中国方面は好調で、主要パッケージツアーの集計報告では、1〜3月期は(鳥インフルエンザの影響のあった前年比で)260%の実績が、また、4〜6月期の予約状況は、前年比150%を超える状況でした。
 4/9〜4/22に発生したキャンセルの累計は、回答のあった23社だけで、パッケージツアーは4・5月の出発を中心に4,000名、斡旋団体は5〜9月までと幅が広く、8,000名。4/16上海でのデモ後、取消数が急増、その旅行コースはデモ発生地点とは関係なく全方面におよんでいます。全体の正確な数はわかりませんが、取消だけで数万人、その後の申し込みを止めたり、行き先を変更したりした潜在的な取消を含めると、中国旅行はすでに十数万人を超える顧客を失ったと推定されます。
 修学旅行、大型団体では今年一杯は望みが薄く、すでに来年度の企画にも影響が及んでいます。まだ取消されていない斡旋団体も「様子見」をしている状態で、状況次第では秋以降の延期、実施も危ぶまれているものもあります。
 パッケージツアーでは、その後の予約状況は、前年比50%前後の状態で、斡旋団体については20〜40%程度、見積依頼自体が極端に少ない状況が続いています。
 中国への留学については、現在、前年の10〜20%程度の申し込みしかないという、ほぼ壊滅的な状況で、これについては、単に今年度のビジネスが失われたということに止まらず、日本の中で中国をよく知り、交流の架け橋となる人材が育たないという長期的な影響に繋がりかねません。
 業務渡航については、デモ直後の渡航自粛の時期は過ぎましたが、影響の長期化により、一部の業種では、中国ビジネスそのものへの警戒感や、新規事業の取り組み延期などの影響が出ているとの報告も上がっており、視察団への影響は小さくありません。
 また、旅行社にあっても、お客様と直に接する販売現場では、中国旅行に及び腰になっているスタッフが少なくありません。お客様から、「中国はどうでしょう? 大丈夫ですか?」などと言われると、「そうですよね・・・。」と曖昧に答えてしまう。すぐに中国以外の旅先に話題を振ってしまう。という対応が目立ちます。「大丈夫です。以前と同じように楽しんでいただけますよ。中国旅行は魅力ありますよ。」と話し、自信を持って中国旅行をお勧めする社員は少なくなっているのが現状です。
 海外旅行者数そのものは、対前年増の状況で、他のディストネーションに振り替えられているかと思われます。旅行業全体としては中国にこだわる必要はないのかもしれませんが、中国旅行担当部門、中国旅行をメインに取扱う旅行社にとってはきわめて深刻な状況ですし、日本人の渡航先第1位であった中国旅行が減少するということは、やはり全体の需要を引き下げる要因であることは間違いありません。

2.日本人の心理状態について
 反日デモはすでに鎮静化し、観光旅行先としての中国に、具体的な危険や不都合があるわけではないということは知られてきています。にもかかわらず、中国旅行への意欲が戻らないのは何故でしょうか?
平均的な大多数の日本人の心理状態はいまどのようになっているのでしょうか?
 もともと多くの日本人は、中国に対し、日本文化のルーツの多くが中国文化にあると感じ、素朴な親しみを抱いています。また経済面では中国抜きでは考えられないほど提携が進み、家族・友人・知り合いで中国と関わりの深い人が増え、家庭、職場、その他いろいろな場面で中国や中国旅行のことが話題に上るのはごく自然で、電車の中や街中のあちこちで中国についての会話を耳にすることも、ごく普通のことになっていました。
 しかしながら今、人々はあまり中国のことを話題にしなくなっています。どちらかといえば避けて通りたいのです。恐らく、いまの心理状態を日本語で一番ぴったり表す言葉は、「面白くない」ということでしょうか。中国がらみの話は不愉快なことが多すぎるからです。
 いま日本では、反日デモの報道をきっかけに、日中の近代史、日中両国間の摩擦や係争にとどまらず、中国の経済、政治体制や軍事、中国現代史(大躍進から文化大革命、天安門事件に至るマイナスイメージの強い時期)に関する報道や解説が、TV、新聞、雑誌、書籍等で溢れるように伝えられています。
 その多くは、日本人にとって、正誤を別として、不愉快であったり、近い将来の脅威や不安を感じさせられる内容が多いわけです。反対に、パンダに象徴される中国の動物や雄大な大自然、心躍る中国の歴史、多様な民族や文化、映画や芸術、スポーツ、日中間の交流などに関する、楽しい、明るい話題が影を潜めています。
 最近の世論調査では、首相の靖国神社参拝に反対する意見が多数意見に転換(前回は両者半数ほど)していますが、靖国の話題が憂鬱な話題であることに変わりはありません。あからさまな「反日映像」に、冷静な思考とは別に、感情的には不快な思いを抱いた日本人は多かったわけですが、そのほかにも、日中間の政治・外交・経済上の多くの問題で、詳しい知識を持っていてもいなくても、何となく中国を脅威と感じたり、中国に押されっぱなしとか、日本の国益が損なわれていると感じたりして、「日本はいたずらに譲るべきではない」という心持ちになる日本人は少なくありません。
 はっきりとした個人の意見を持つかどうかは別として、以上のような「面白くない」という思いは多くの日本人に共通した感情で、中国を旅行先候補からはずすというのは、ある意味自然の成り行きではないでしょうか。

3.今後の見通しについて
 もとより中国旅行の潜在的需要は大きく、私達はその復活を確信していますが、観光旅行は、特に日本人にその傾向が強いかもしれませんが、全体のムードに左右されやすいものです。
 「人の噂も75日」という日本の諺は意外と真実をついた言葉ですが、75日を経た今も、日中間の外交・政治の膠着状態を反映しているのか、私たちはその転換点を見出すことができていません。はっきりとした目的あるいは目的意識を持ったお客様は、いまも中国旅行に出かけていますが、こういったマーケットは全体の半数以下と思われますので、このままムードの転換がなされない場合、夏休み需要を取り込みそこね、秋の団体旅行シーズンも盛り上がらないという可能性もあります。

4.日中の旅行業界にできること
 中国旅行復活のために、旅行業界で中国旅行の中核を担っている私たちは意気消沈することなく、できることから始めようではありませんか。
?@ 旅行社内の販売現場に、そしてお客様へ、現在の中国と中国観光の平静な情報を正しく伝え、不安感を払拭する。
?A 中国旅行パンフレットスペースを確保し露出を高める。新コースや中国旅行の魅力を紹介する商品や案内を作成し、団体を含め、お客様に積極的に訴えかける。
?B 中国航空路線の宣伝など、関係各社に働きかけを行う。
?C 中国側が日本人観光客を歓迎している具体的なイベントなどを入れたキャンペーン商品を展開する。
?D 中国側から日本の旅行業界に積極的な来日プロモーションを行う。あわせて一般消費者向けに歌舞など視覚に訴えるものを増やす。
?E 中国と中国旅行にプラスイメージを与えるイベントを企画し、メディアを通じて広く消費者に訴えかける。
?F 日中の旅行業界が、より頻繁に、より率直に、意見や情報を交換する場を持つ。

 以上、私の報告はあるいは悲観的に過ぎるかもしれませんが、中国旅行の現場からの率直なレポートです。在席各位の活発な意見交換の糸口になれば幸いです。
ご静聴ありがとうございました。
  (2005年7月2日 於北京、 7月4日 於上海)
   
3. 中国側意見 張 国成 中国国際旅行社日本部 部長
 
一時的なデモであり、当時も現在も通常の生活を行なっている。
テレビ報道が不公平である。
こういう時こそ来て頂いているお客様に満足していただける様、最大の努力を現地旅行社は行なっていくべきである。
4. FREE ディスカッション
 
マスコミは事実は伝えているが真実ではない事を伝えている。
中国側から見てデモ後2ヶ月も経っているのにまだ不安が日本サイドに残っているのはおかしい。
旅行会社の人間でもまだ中国は不安という傾向がありパンフレットが店頭に並んでいない。
マスコミはネタになる時だけ騒いで放送しているがリカバリーになるとネタにならないのか全く報道しない。非常に不公平である。
斡旋団体セールスマンも折角受注したグループもまたデモが起こったら無駄になるので他方面を勧めてしまう。
中国側としてはセールスマンやカウンター担当者に事実を見てもらう為研修旅行を実施して欲しい。
SARS、鳥インフルエンザ、今回のデモと毎年何かトラブルが起こっているがガイド教育について各社どの様な対応をしているか。
間違った愛国主義の為今回のデモは起こったが今は中国・日本両サイド共「環境作り」に努力をするべき。
9月21日から行われるJATA旅行博にて双方自信を持ってセールス出来る様準備するべき。
7月25日から国家観光局を中心となった250名規模のミッションがあり、リカバリーの一環になるのでは?
航空会社主導でテレビコマーシャルや駅ポスター貼り等行なってもらい、少しずつでもイメージアップのコマーシャルを行なって欲しい。
今までこの様な各国業界同士のざっくばらんなミーティングを実施していなかった事もあり、いい機会であった。
多数の意見が出てきた中、日本側基調報告にある7つの今できる事を再確認した上次回またこの様なミーティングを持つことを確認し閉会。
取材はテレビ朝日から要請あり、白石新代表幹事、張国成部長がインタビューを受けた。
 
     
日中旅行業界懇談会(北京)にて前代表幹事挨拶 懇談会(北京)記念写真 北京にて現地旅行会社と意見交換
 
   
CITS総社日本部総経理、テレビ朝日の取材を受ける 北京にてシャングリラホテルを視察
 
日時: 2005年7月2日 15時〜17時
場所: イトーヨーカドー(今年OPEN)
事前に写真撮影許可をもらっていなかった為店内の撮影は出来なかったが、中国人買い物客にて店内は混雑気味であった。
日本製品も通常通り販売されており、その売り場にも中国人買い物客が多数おり反日デモがあったとは思えないぐらいであった。
 
7月3日に14名にて上海に移動。
 
日時: 2005年7月3日 13時〜14時、17時〜19時
場所: 上海領事館、日本料理店「吉祥」、伊勢丹、ユニクロ(中山南路)
 
上海領事館はいまだ警備が厳しい状況で外から写真撮影は不可。
領事館の外壁は少しペンキが残っているもののテレビで見た酷い状況ではなかった。
日本料理店「吉祥」の虹橋地区の店は日曜日であった為お休みだった為別の店を視察。
日曜日の夕方18時すぎであったが中国人で結構席は埋まっていた。
デモにて投石等で壊された店も今は回復し、中国人のお客様も多数来客されているとのこと。
伊勢丹は店内撮影の許可が日本サイドにて必要の為、撮影不可でしたがこちらも店内は中国人で混雑していた。
ユニクロにおいてはデモ後売上が前月の30%ダウンしたとのこと。
日本人客の減少が原因と店舗マネージャーは読んでいる。
今回の主旨を理解頂き店舗撮影の許可も下りた。
 
     
上海にて熱烈歓迎を受ける 上海市内を視察(反日デモ後の街風景) 上海市内を視察(反日デモ後の街風景)
 
   
上海市内を視察(反日デモ後の街風景) 上海の街並
 
日時: 2005年7月4日 9時30分開会、11時30分閉会(意見交換会)
        12時開始、13時30分閉会(懇親会)
場所: オークラ花園飯店 2階 会議室(意見交換会)、蘇浙匯餐庁(懇親会)
参加者: 日本側14名、中国側22名 計36名
 
意見交換会進行
1. 日本側挨拶 小野 由紀夫 代表幹事
2. 中国側挨拶 周 愛梅 上海市旅遊事業管理委員会 助理調研員
3. 日本側基調報告 伊勢 隆志事務局次長
  *報告書 別添
4. 中国側報告 高 景順 上海国旅 日本部 部長
 
SARS、鳥インフルエンザと比較してすぐに回復すると思っていたが根深い感情論がありこんなに影響があるとは非常に驚いている。
テレビ報道の厳しさを感じた。
今後はお客様の心理を読み、安心+安全を中国受け入れサイドとして努力していきたい。
今後のリカバリー関係の活動をマスコミに訴えていきいち早く正常に戻していきたい。
5. FREE ディスカッション
 
まとめると
マスコミは勝手、悪い所だけ映している。
大きな観点から民間交流が必要である。今回の問題は時間がかかるがいい施策は有り得ないコツコツと積み上げるしかない。
今、何をしても仕方ない。じっと待つしかない。
小泉さんの今後の動きによってはまた悪い方向に向くかもしれない。
デモ後お客様から「上海に来ると元気になった」という声があった。
上海でしか出来ないインセンティブを考えて是非上海に呼び寄せたい。
一つ提案だが上海から帰国したお客様を入国後出口調査を行い集計し、メディアに公開し「しゃべる口コミ」として安全・安心・楽しいをアピールしたい。
 
多数の意見が出てきた中、日本側基調報告にある7つの今できる事を再確認した上
次回またこの様なミーティングを持つことを確認し閉会。
 
取材に関してはNHK 上海支局の方が取材されていました。
 
懇親会
1. 挨拶 小野 由紀夫 代表幹事
2. 中締め 佐野 秀史 事務局長
  *次期事務局長 譚 麗氏を紹介し閉会。
  *今回はトラベルジャーナル 高岸氏が4日間同行取材をされていました。
 
   
上海にて中国側の挨拶 日中旅行業界懇談会(上海)にて元代表幹事挨拶
 
   
上海にて現地旅行会社と意見交換 懇談会(上海)記念写真
 
 
2005年7月19日付け日中新聞に掲載

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